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現ライター、豊島ミホのブログです。雑記帖ゆえ雑文が書かれていきます。カテゴリの「はじめに」も是非お読み下さいませ。


by 豊島ミホ
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こんにちは。豊島ミホです。
新潮文庫版「文芸あねもね」、正式な発売日はまだですが、
首都圏の書店では並び始めているようです。
私も昨日ゲットしてきました!

電子版の販売は24日で終わり、これからは
「紙の本」で販売させていただくことになりました。
みなさまよろしくお願いします。

むしろ店頭で文庫を見て「何故豊島ミホがいるのか」と疑問に思い
ここに来て下さった方は文芸あねもね公式ブログを一度ご覧下さいませ。
チャリティ同人誌に参加するにいたった経緯がわかります。
こっちの豊島ブログでの言及はここここです。

電子版リリースの時と同じ話になっちゃいますが、個人的に一番アピールしたいのは
「本当に面白いアンソロができた!(と私は思った!)」っていうことです。

紙の本が出るという話になったのも、もう相当前のことですが、
それが決定した時、私は
「もう、これ、死ぬな」
とひそかに思いました。
こんな面白い同人誌の制作に参加できて、最後までやれた! というだけでも
人生の何にも勝る「無事に目標達成された冒険」だったのに
これを紙の本にしてもらえるなんて、夢のような話すぎて
そんなこと一生のうちにあってはいけないから多分そのまえに頭に建築資材が落ちてきて死ぬな。
と思ったものです。

あとは「そんなうまい話があるわけがねぇ、絶対編集部から
『もうおひとかた著者足しません?』とか笑顔でベストセラー作家への原稿依頼を提案され
その時点で私たちの本でもなんでもなくなって終わるんだ!!」と疑ってかかってました
(新潮社様すんません……でも、どこの出版社さんでも疑ったと思います)。

いやでも本当……よくそのまま出してくれたなと思います……
う、売れない面子だと言っているわけではなくてな!
掲載順も、原稿の内容も(校正と細かい直しは入っているものの)
「同人誌」のままで出すというのは、結構な実験的試みだったと思うのです。
しかも私、もう文芸の世界にいない私が何故かやたらな分量書いちゃってるし。
そんな本がそのまま紙になり、電子書籍ユーザー以外のみなさまにも
読んでもらえる機会を得るとは……。ミラクル以外の何者でもありません。

文庫に携わって下さったみなさま、ありがとうございました。
そして文庫になるまで、電子版を支えて下さったみなさまに、ここでも御礼申し上げます。
買って下さった方をはじめ、広めて下さった方、お力貸して下さったみなさま、ありがとうございます!
ちなみにあねもねメンバーで、文庫化にあたって活躍したのは
宮木あや子さん(連絡事務/折衝/おまけページ総監督)と
デザイナーの山口由美子さん(電子版に引き続きデザイン担当)です
(私は自分の著者校正以外何もしていません……)。
おふたかたとも、大変お疲れさまでした!!

あ、以前の記事で文庫版あねもねの価格を「740円」と紹介していましたが
「704円」の間違いでした。失礼いたしました。
税抜き704円だと思っていたら税込み704円だった。
該当記事にも訂正を入れています。



「紙の本」が出て、この1年くらいの色んなことを振り返るようになりました。

地震のことを思い出す時、その瞬間のことより、数日後の
ぴーんと張った空気と、静かさのことを思い出します。
いちばんに思い出すのが、雪に閉じ込められた上にストーブのスイッチも入っていない
いつもは有り得ないくらいしんとした自分の部屋で、本棚と向かい合ってた時の気持ちです。
もう何も読めないしかけない、と思いました。
大好きだったはずのマンガも頭に入ってこないような数日間が、ありました。
それは多分おおかたのひとがそうだろうと思います。
音楽、活字、絵画……
人の手でつくられた、生活に必ずしも必要ではないものと
もう前と同じ気持ちでは会えないと本気で思いました。
その時は。

今は、その時見ていた本棚に「文芸あねもね」があります。
きっとこの本は、この先長いこと、自分の本棚の心臓部であり続けると思います。
by refri5erat0r | 2012-02-27 14:36 | 告知

私は図太い(2/10)

こんにちは。就活(=バイト探し活)しているはずだった豊島ミホです。

ふっ……

言い訳はするまいよ!
バイト先として検討していた時給850円のゲーセンとコンビニを下見しにいって
秋田以上のうらぶれっぷりにびびりながら帰ってきて
もういっこ事務系で検討していた会社を念のためぐぐったら
ヒネリのない、バキバキなブラックだったことが判明し
とりあえず気分転換しようと思って綿矢りささんの『かわいそうだね?』を読んだあと
今年頭からつけ始めた1月の家計簿の決算をし月にかかった生活費用を合算した、
もしその時家計簿がノートでなく石板だったなら
下からニーキックでぶち割っていたであろう
くらいに自分の生活というものが存外に金のかかるものだったことが判明、
むしろ時給850円でこの生活を補うには1週間に9日出勤する必要がある
と気が付いた時に発狂した。

いや、はい、発狂はしてません。

……。

いろんなことが頭をかけめぐった。
開き直りと猛省の間で揺れた。
しかしそんな中で自分以外の人間に言いたいことはただひとつ、
「『人間は自己の能力を特化してそれを他人の為に役立てることができないと文字通り死ぬよ☆』
 って進路指導を学生のうちしてくれや!!」
ってことだけだった。
「夢」とか「好きなこと」とかのきれいな言葉で飾っているけど
仕事の本質は「しなければ死ぬ」それだけだ。
そして「しなければ死ぬ」ことを
本人の心的/物理的負担や周りへの貢献度を考慮し
ある程度は自分の個人的性質に添わせる形へと近づける、
それがすなわち「進路を選ぶ」ということだ。
違いますか。

……。

これ以外は全部自分に言うことで他の人に言ってもしょうがないことだから
ここには書きません……
そんなん(=就活をストップしてる言い訳)を
パソコンにぷちぷち5時間打ってても仕方ないからな。
でもね絶対に生きていってやる! と思っていることは書いときます。

今年の目標「支出を減らす」ももう終わりじゃ!!!
1日いくらで自分が生き、そして時間を使うということがどういうことか
よくわかった。それでもういい、私は時間とお金を今後積極的に「使う」。

(ちなみに目標を立てた時の記事はこちら



『かわいそうだね?』は「亜美ちゃんは美人」がものすごく面白かったです。
美人が絡むだけに同性への嫉妬とかそういう話なのかと思って読み始めたけど、
それがメインテーマでは全然ない(と私は思う)。
自己の限界を突破することはどんなにむちゃくちゃになってもかっこええ
そういう話だと私は読みました(え、斜めに読みすぎ?)。
表題作の「かわいそうだね?」はアキヨが初登場時から自分とカブりすぎて……
最後までカブっていて……なんだかもう、ごめんなさいって感じでした。
でもラストの一撃はきいてると思う。
アキヨがどんだけ図太かろうが、意外と50歳になってもたまに思い出すくらいきいてると思う。
by refri5erat0r | 2012-02-10 15:21 | 雑記

鶴は病みき(2/10)

話が変わるので記事を分けてます。

岡本かの子の小説を読んだよ。
青空文庫作品で評判の高い「鮨」をまず読んで
「うめえ! なんだこのひとうめえ!」と感じ
他の作品も読んでみた。

「鶴は病みき」……
芥川龍之介を描いたということが発表当時からバレバレだったという
モデル小説(作中の「麻川荘之助」が芥川だとされている)。

これっがもう
作家という人たち(岡本自身を含む)のめんどうくさいところを
これでもかというほど煮しめる感じに進んでいき
ああああっほんとめんどくさい作家って人種はめんどうくさい!!
と身体をよじりながら読んだんだけど最後に泣かされた。

あらすじ的には、まだ「小説家」という肩書きでない岡本かの子が、
夫とともに逗留した鎌倉で、たまたま芥川と一ヶ月ほど同宿した、
ほぼそれだけで終わるんですが。
強烈な憧れと憐憫の入り交じった目で彼の姿を観察し
彼との交流を記録している。岡本の目を通した芥川観察日記なんです。

まーどれくらいホントかは知らない。
ほぼ本当とされている……らしいけど真偽はあんまり気にならない。
それよりも、なんていうの、人間同士の間で興味が生まれて流れてぶつかって
また別れていくことの、胸のぎゅーっと詰まる感じが生で伝わってくる作品だと思います。
恋じゃないんだよ!
でもなにかあるんだよ!
わかるー

「鮨」という作品のほうも、男女間でぴぴぴと来るものの正体の解体が試みられていて、
岡本かの子ってそういう作品をいっぱい描いたのかな? と思いました。
だとしたらもっと読んでみたい。



ちなみに「鶴は病みき」を読んだ後ちょっと芥川のことを調べて、
彼を見る目が結構変わってしまった……。
悪くは思わないですけど。なんか、なんかね。。。
あと岡本かの子を最後まで認めなかったという谷崎潤一郎についても
私の心の中でひっそりと印象が変わりました……。

高校生くらいの時って、文豪って人たちを絶対のものだと思っていたけれど、
大人になると、また見方が変わってきますね……。
ぶっちゃけ若い頃は「作家の自殺」ってやつにちょっときゅんとしてたけど
今は普通に「死ぬなや……」と思うし。
あと、文壇での政治力みたいなものがぼんやりとですが推測されてきて、
そういうのと作品評価の関連についても、いろいろいろいろと思うところが
なくはなかったりもしなくもなかったりします。

ささいなことだけど、芥川と岡本かの子は誕生日が同じなんですね(生年は違う)。
星占いが趣味の私はふーんと思いました。
by refri5erat0r | 2012-02-10 15:17 | 雑記
こんばんは、豊島ミホです。

今日はみなさまにお知らせがあります。
昨年7月から電子書籍で販売してきた『文芸あねもね』
なんと、紙の本になります!

新潮文庫から2月28日発売です。
いきなり文庫コースです。

あねもね公式ブログで、宮木さんが詳しく説明していらっしゃいますが
紙の本は「印税」=筆者たちの取り分のみを寄付する形になります。
印税は普通に「販売価格の1割」です。
そこはまぁ、紙だから……コストがかかるわけで、仕方がないですね。
でも、電子で読めなかった(ガラケー仲間の)皆様にも
紙では読んでいただけることになります!
よかったー。

現在販売されている電子版のほうは、残念ながら契約上、
紙の書籍とは並行販売が不可能なため、2月24日をもって
販売終了となります。

定価380円で266円が寄付にまわる電子版
(※パブーのチャリティ企画が昨日で終了したため、今は寄付額が売り上げの7割になっています)と、
定価740円(税込)で74円 704円で多分70円が寄付になる紙の本版。
だいぶ性質は違いますが、それぞれの良さはあると思います。
「だったら電子版を買うよ!」って方は、今のうちにどうぞ!
「やっぱり紙の本が良いな〜」という方は、発売日をお待ち下さい。

発売日、Amazonでは2月28日になっていますが、
早い店頭だともう数日早いはずです。
私が書店さんにあるのを見た時点で改めてお知らせします。

ちなみに740円 704円という価格は、新潮文庫にしてはかなり高〜いように
感じられますが、これはチャリティのために上乗せしているのではなく、
ページ数から計算された新潮文庫の標準の価格です。
つまり、本がかなり分厚いってこと!
私もそんな高い文庫は買ったことがないな……
そして当然ながら自分のページしかゲラの確認をしていないので、
どれくらい分厚いのかは今のところ想像もできない……。

(2/25追記:文庫の価格が間違っていたので訂正いたしました。失礼いたしました)



そしてもうひとつお知らせ!
アンソロジー『恋のかけら』が文庫で出ます。
2008年8月、幻冬舍刊のアンソロでした。
文庫も同じく幻冬舍さんから、2月9日発売になります。
私は「銀縁眼鏡と鳥の涙」という50枚弱くらい(たしか)の短篇を書いています。
高校生の部活ものです。写真部です。男の子が主人公です。
私は正直かなり好きな方の短篇で、色んなかたに読んでいただきたいですw
ちょっとだけ書き直しもしてます。ちょっとだけだけど。
こちらもよろしくお願いします。
by refri5erat0r | 2012-02-01 18:05 | 告知