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現ライター、豊島ミホのブログです。雑記帖ゆえ雑文が書かれていきます。カテゴリの「はじめに」も是非お読み下さいませ。


by 豊島ミホ
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2016年に読む『びりっかすの神さま』・後篇(6/15)

上の記事の続きであるところの
『びりっかすの神さま』ネタバレ感想文です(あらすじはそちらで説明済)。
感想文ゆーても学校の感想文に役立つようなものじゃないんで
それを求めてる方はよそへお願いしま〜す☆



この作品の舞台となる教室は、
人に勝つことが目的の競争主義社会。
そこに、過労で父を亡くした始が入っていく……
というのがまーいっこポイントになっているとは思います。

「がんばる」とは何か。
それは、人に勝つことじゃない。勝つためにやるんじゃない。
「本気でやる」ってことなんだ……
この本を最後まで読んだ時に、
一番わかりやすく見えてくるメッセージはそれ。

でも、この本の舞台を
「人に勝つことを奨励される特殊な教室」
って読むだけだとちょっともったいないんじゃないかなあと
私は思いました。

確かに話の中で、始の「がんばる観」はわかりやすく変わります。
でももっと変わってるものあるよね?
お話の最後の最後、始のこんな述懐があります。


  とつぜん、転入してきた日のことを思いだした。
  みんな、のっぺりしたへんな顔に見えたっけ。
  それがいまは、したしみのある顔ばかりになっている。

   (偕成社文庫版 p.176より)


これは始が「転入生だったけど、友だちが増えた」ということ
だけを示しているのではないと思います。
教師の前ですらいじめが横行し、
成績のいい者と悪い者が口をきかない、
ぎすぎすした教室が、変わったということではないでしょうか。

予想つく方もいらっしゃるかもしれませんが、
私はこれを「スクールカーストの物語」として(も)読みました。
物語の中では、競争や順位付けは
結構わかりやすい悪役である担任の先生によって行われています。
でも、これを現代の私たちは、
自らやっている(もしくはやらざるを得ない状況になっている)んだ……
あれって、競争なんだ。って。
物語が始まってすぐ発見しました。

その「カースト」が、見事に解体されていくというのが
この本の筋なわけです。

カーストを解体したのは、なんだったのか。
「びり」を取れば不思議な妖精が見えるようになること、
「びり」を取ったもの同士で
授業中にテレパシーで会話できるようになること、
などなど、「おもしろさ」があったから! っていうのが
やっぱりこのお話では強いようにも思えますが
(びりになる特典がこんなにあったらそりゃなるよ……)
現実にもあるもので言うならば、
「対話」だと思います。

さっきちょっと書きましたが、
設定上、この物語では「びりを取り、妖精の存在を信じた」者だけが
テレパシーを使うことができるようになります。
心で話す。
それによって、もう発言力や相手への視線
(話しかけたくないとか、話す意味もないとか)関係なく
強制的に相手と対話せざるを得なくなるのです。

物語の序盤では「びりっかす」の常連で
いじめられているだけだったみゆきという女の子が、
対話する相手を得てからは、
そのウォーミーな性格によって、
発言を尊重されるようになります。
テレパシーというある種強制的な対話が、
教室に点在しているだけだった個人をつないでいくのです。

そこに「おおお……!」って思ったよね!!
「びり」が面白いからみんなやりました、仲良くなりました、
ついでに「がんばる」の意味も知りました
――っていうそれだけのお話じゃない! と思う!

まーこれを
テレパシー使わずにリアルでやれるかって言ったら難しいけど……

競争っていうのは対話を奪ってんだな
相手を知らないっていうことなんだな


って。思いました。

もうほんと、著者の岡田さんは
どうやってこんな設定思いついたんでしょうねぇ……。
みんな読もう! まじに!
今こそ『びりっかすの神さま』読むべき時代!



今は忙しいんですけど、
この夏、実はちょっと仕事のスケジュールが
ゆったりめになっているんです。
それで個人的に……学校&教育関係の本を
じっくり読んでみよう!! と思っていたりします☆

とりあえずこれ読みたい\(^o^)/
絶対読む\(^o^)/


学校へ行く意味・休む意味: 不登校ってなんだろう? (どう考える?ニッポンの教育問題シリーズ)

滝川 一廣 / 日本図書センター



学校ってなに?
クラスってなに?
みたいなのを、とらえなおしたい。
「なに」ってか「どうであるべき」みたいな
自分なりの理想を見つけたい。
いつまでこだわってんだよーって言われそうだけど
なんかこれ、もう、こだわるべきところなような
気がしてきたんだわ。
過去っていうより未来に向けて。
by refri5erat0r | 2016-06-15 15:14 | 読んだものの感想