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現ライター、豊島ミホのブログです。雑記帖ゆえ雑文が書かれていきます。カテゴリの「はじめに」も是非お読み下さいませ。


by 豊島ミホ
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モコ&猫(7/19)

こんばんは。豊島ミホです。
桜庭一樹さんの短編集、その名も『桜庭一樹短編集』から
「モコ&猫」を読みました。
1編読んだだけで感想を書くのか?
でもこの1編をずっと探していたんだもん!

桜庭一樹短編集

桜庭 一樹 / 文藝春秋



去年「読書感想文攻略法」の中で紹介させていただいた
森絵都さんの短編「17レボリューション」と同じく、
初出の雑誌で何気なく読んで「うわあ面白い!」「神短編!!」と思ったけど
特にその後連作になる展開もなく というか
それが載ったらしき単行本にも出会えず幾年月……ってパターンの作品でした。
「モコ&猫」は。



再会のインパクトもなかなかのものでした。
何気なく服とか買いに街に出かけ たまたま通りかかった書店に
どかんっと3面(くらい)の表紙見せで置かれていた本の表紙イラストが
会田誠の「あぜ道」!!(「あぜ道」所蔵館の解説

タイトルより絵が先に目に留まり、
「あの! 会田誠の! 初期代表作を表紙につかってくるなんて!」
「これで中身がショボかったらどうよ!」
と思った次の瞬間にタイトルに気が付き……
ああ、桜庭さんならいいわ……(←上から)
と溜飲を下げたのですが、ふと

……これに「モコ&猫」入ってるくね?

と、ひらめいたのです(まあタイトルが『短編集』ですから。。。)。
果たして目次を確認すると、入ってる!!!

そっこー買って帰りました。
なにしろすごくすごく昔(自分の実感的に)から探していた作品だもの!
何年も忘れていなかった短編だもの!



そしてさっき、「モコ&猫」から読んだというわけです。

ずっと探していたと言っても、実際に憶えているのは
「脂で顔がテカテカの女の子(モコ)と、地味で気弱な男子(猫)が出てくる」
「大学生くらいの話」
「テカテカな件に関して、女の子が自分で『性欲が強いからかな?』って言う」
「あと、とにかく面白い」
っていうところくらいでした。
ようするにあれだね。
テカっているヒロインを初めて見て感激したんだよね。
私もテカってるから。極度にテカってるから。

で、なんかどっちかっていうとイケイケでキワキワの
恋物語だな〜っというぼんやりした印象があったのですが、
今読んだら、
すっごいさみしい話だった。。。
後半が……
えっこんな展開だっけ? こんななっちゃうんだっけ?(泣)みたいな。
だめじゃないですけど。
こんな切なさ、憶えてないぞ! っていうくらい強烈に切なかった。
そしてあんまりイケイケな話じゃなかった(笑)

顔がテカってるZipper系(かな?)おしゃれガールのモコ。
モコにストーカーみたいに恋しちゃう地味男子・猫。
ふたりは大学1年の春に出会い、同じサークルで時を過ごします。
もうこれ以上はネタバレだっ……! と思うから、
ふたりやふたりの関係がどう変化していくかは書きません。
まー大学生→社会人入口くらいまでの話。

奥付を見ると2007年1月「小説すばる」掲載の作品なので、
私が最初にこの作品を読んだ時は、大学卒業後2年弱というところだったみたいです。
物語の終わりの二人と同い年って感じ……
なのに全然、その時のモコの雰囲気? 状況? が掴めてなかったと思われる。
学生時代のところにばっかり感情移入して読んで、
そっちのほうが強く印象に残っていたんですね。
「すご〜い希有な、最高の恋物語だ!」って。
同い年の平均より、ちょっと精神年齢が低かったんでしょうwww

しかし、詳しくは書きませんけど、
31歳の今読むと、頭がツーンとします。
ふたりの、決定的に通じ合っていないところがわかるから。
猫の最後の選択は、とっても正しくて、正しすぎて間違ってるような感じ。
そういうところまでわかって、なんか……
ちょっとね。ブルーになるっていうのと違うけど。
私大人になっちゃったし、モコと猫もそれぞれ大人になってたんや。
って思いますね。

いやいや、でも、面白いことに変わりないし
すっごく濃度が高いのにテンポのいい素晴らしい短編なので
おすすめですよ!
桜庭さんの文章は、重めと軽め両方ある気がしますけど
これマックス軽い方だと思います。
これを(文章的に)読めない人はいない……ってレベル! 
中学時代の私でも読める!(6年前の私以上の誤読をかますと思うが)



ところで明日から、夏休みですか?(※雪国除く?)

この夏休みに合わせて、「読書感想文攻略法」の、
無料まとめ小冊子みたいなんをつくろうと思っていたんだけど。
斉藤孝先生の『だれでも書ける最高の読書感想文』という本が
出てるのを知って、やる気を根こそぎ失いました。

勝てるわけないやん。斉藤孝に。
しかもあれですよ。「最高の」読書感想文が書けちゃうんですよあちらは。

こわくて何が書いてあるか見てないんですが(かぶってたらやだし)
向こうは文庫だわ角川だわ斉藤孝だわ(2回言う)……な上、
なんといっても価格差がありすぎて、もぉ
「ぜひ! 私のほうを!」とは言えない……。

悔しいからリンクなんて貼ってあげないんだからね!!!

つうか……この本、私が連載する前に存在してたわ。私が知らなかっただけで。
今ちゃんと書誌情報を確認するまで、今年の新刊だと信じてた!
(今年の夏フェア小冊子でばっちりがっつり宣伝されていたので)
お、お、オトロティーー!!!

……やっぱ読もうかな? 
感想とか調べてたら、結構違う内容みたいだし。
ふらっと本屋に行って買えたら読むかも。
by refri5erat0r | 2013-07-19 22:05 | 読んだものの感想